岩崎宏美が監修・選曲した作品集
筒美京平シングルズ&フェイバリッツ

2020年10月7日、稀代の作曲家・筒美京平が逝去した。今年2021年4月にはコロムビア、ソニー、ビクター、ユニバーサルから、トップ10ヒット79曲を厳選したコンピレーション『筒美京平 TOP 10 HITS』が発売され、29組のアーティストが総出演した「ザ・ヒット・ソング・メーカー 筒美京平の世界 in コンサート」が東京・国際フォーラムにて開催された。作品総売上枚数は国内の作曲家歴代1位の7,600万枚超。日本のポップス・歌謡曲の歴史の中で頂点に君臨し続けて来た日本音楽界の至宝を惜しむ声は今もなお後を絶たない。
作曲家・筒美京平が歌手・岩崎宏美に提供した楽曲は、全74曲。シングルは1975年のデビュー曲「二重唱(デュエット)」から「ロマンス」「センチメンタル」「ファンタジー」「未来」「霧のめぐり逢い」「ドリーム」「想い出の樹の下で」まで8作連続で筒美が担当し、その後も「シンデレラ・ハネムーン」や「女優」など、あまたのヒットが誕生した。今回の企画のDISC1には、筒美が提供したシングルA面全18曲を収録している。
そしてDISC2にはシングルA面以外から、岩崎宏美自身がセレクトした19曲を収録。特に7thアルバム『パンドラの小箱』と9thアルバム『WISH』は全曲筒美京平の作品で構成されており、この2枚のアルバムから多くの楽曲がセレクトされた。
初回盤にのみ付属するDVDには、現在入手困難になっているBOXセット『岩崎宏美 ROYAL BOX~スーパー・ライブ・コレクション~』(VIZL-264)に収められたDVD『’83岩崎宏美リサイタル』より「筒美京平メドレー」を収録。オーディオ・トラックには、最新リマスタリングが施されている。また、今回初出となる「岩崎宏美インタビュー(筒美京平先生の思い出)」は2021年8月に収録された最新インタビュー映像。岩崎が語る恩師・筒美京平への想い、そして筒美作品の魅力やポピュラリティが感じられる内容となっている。
そして、年末に向けてビッグ・ニュースが発表された。筒美京平には、縁の深いお二人、野口五郎と岩崎宏美 初のデュエットソング 「好きだなんて言えなかった」 が11 月 24 日 に発売されることが決定。CD発売に合わせて、二人によるプレミアムコンサートも東阪名で開催される。
 また、2019年、岩崎宏美は 筒美京平トリビュート・アルバム「Dear Friends Ⅷ 筒美京平トリビュート」をリリースしている。当時「先生に聴いていただけたこと、そしてとても喜んでいただけたことが、大切な思い出となりました」と語っているが、そのアルバム同様、今回の企画は、もう一つの筒美京平トリビュート作品と言えるだろう。
 そして、今回のジャケット写真は、アルバム『WISH』の歌詞カードに掲載された二人のレコーディング写真のアナザー・カットが採用された。
 歌手・岩崎宏美を創り上げた作曲家・筒美京平。この作品集を聴いて、筒美京平と岩崎宏美の唯一無二のコラボレーション、そして、その作品の普遍性を感じて頂ければ幸いである。
 
CD/Disc1:シングルズ
・筒美京平が岩崎宏美に提供したシングル曲全18曲を全て収録
曲名/オリジナル発売日/収録盤/作詞/作曲/編曲
(1)二重唱(デュエット) 1975/4/25 1st Sg 阿久 悠/筒美京平/萩田光雄
(2)ロマンス 1975/7/25 2nd Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(3)センチメンタル 1975/10/25 3rd Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(4)ファンタジー 1976/1/25 4th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(5)未来 1976/5/1 5th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(6)霧のめぐり逢い 1976/8/1 6th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(7)ドリーム 1976/11/5 7th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(8)想い出の樹の下で 1977/1/25 8th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(9)シンデレラ・ハネムーン1978/7/25 14th Sg 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(10)さよならの挽歌 1978/11/5 15th Sg 阿木燿子/筒美京平/筒美京平
(11)春おぼろ 1979/2/5 16th Sg 山上路夫/筒美京平/筒美京平
(12)スローな愛がいいわ 1980/1/21 19th Sg 三浦徳子/筒美京平/萩田光雄
(13)女優 1980/4/5 20th Sg なかにし礼/筒美京平/筒美京平
(14)素敵な気持ち 1983/2/21 30th Sg 康 珍化/筒美京平/萩田光雄
(15)真珠のピリオド 1983/6/5 31st Sg 松本 隆/筒美京平/萩田光雄
(16)未完の肖像 1984/5/21 34th Sg 阿久 悠/筒美京平/萩田光雄
(17)夜のてのひら 1986/10/21 41st Sg 来生えつこ/筒美京平/武部聡志
(18)許さない 1999/3/3 53rd Sg ドリアン助川/筒美京平/山本健司

CD/Disc2:フェイバリッツ
・筒美京平が岩崎宏美に提供したアルバム曲を中心に、岩崎自身が思い出深い楽曲を19曲収録
曲名/オリジナル発売日/収録盤/作詞/作曲/編曲
(1)月見草 1975/4/25 1st Sg C/W 阿久 悠/筒美京平/萩田光雄
(2)私たち 1975/7/25 2nd Sg C/W 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(3)涙のペア・ルック 1975/9/5 1st AL『あおぞら』 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(4)パピヨン 1976/1/25 4th Sg C/W 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(5)キャンパス・ガール 1976/2/10 2nd AL『ファンタジー』阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(6)愛よ、おやすみ 1976/2/10 2nd AL『ファンタジー』ちあき哲也/筒美京平/筒美京平
(7)愛の飛行船 1976/7/25 3rdAL『飛行船』 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(8)わたしの1095日 1977/1/25 8th Sg C/W   阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(9)南南西の風の中で 1978/7/25 14th Sg C/W 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(10)媚薬 1978/8/25 7th AL『パンドラの小箱』阿木燿子/筒美京平/筒美京平
(11)ピラミッド 1978/8/25 7th AL『パンドラの小箱』 橋本 淳/筒美京平/筒美京平
(12)カンバセーション1978/8/25 7th AL『パンドラの小箱』 橋本 淳/筒美京平/筒美京平
(13)L 1978/8/25 7th AL『パンドラの小箱』 阿久 悠/筒美京平/筒美京平
(14)恋人たち 1979/3/9 カバーAL『恋人たち』 阿木燿子/筒美京平/筒美京平
(15)五線紙のカウボーイ 1980/8/5 9th AL『WISH』 橋本 淳/筒美京平/筒美京平
(16)Sympathy 1980/8/5 9th AL『WISH』 なかにし礼/筒美京平/後藤次利
(17)Street Dancer 1980/8/5 9th AL『WISH』 橋本 淳/筒美京平/筒美京平
(18)生きがい 1983/7/21 13th AL『私・的・空・間』 有馬三恵子/筒美京平/萩田光雄
(19)Wishes 1980/8/5 9th AL『WISH』 橋本 淳/筒美京平/筒美京平

Special DVD
曲名/作詞/作曲/編曲

  • 筒美京平メドレー (Live at 郵便貯金ホール 1983/10/16)

・センチメンタル 阿久 悠/筒美京平/小野寺忠和
~未来 阿久 悠/筒美京平/小野寺忠和
~ファンタジー 阿久 悠/筒美京平/小野寺忠和
~私たち 阿久 悠/筒美京平/小野寺忠和
*2007年12月27日発売BOXセット「岩崎宏美 ROYAL BOX~スーパー・ライブ・コレクション~」(VIZL-264)に収録されたDVD『’83岩崎宏美リサイタル」(VIBY-347)から収録
(音声のみ2021年最新リマスタリング)

  • 岩崎宏美インタビュー(筒美京平先生の思い出)※2021年撮りおろし映像

インタビュアー:濱口英樹
~筒美京平先生との出会い
~デビュー曲「二重唱」「ロマンス」などシングル曲の思い出
~全曲筒美京平作品アルバム『パンドラの小箱』『WISH』のエピソード など収録

  • 商品概要

2021年10月20日(水)発売
VIZL-1960(初回限定盤:2CD+DVD)3,850円(税込) *スペシャル・プライス
VICL-65584~85(通常盤:2CD) 2,970円(税込) *スペシャル・プライス
監修・選曲:岩崎宏美 / 2021年最新マスタリング
岩崎宏美本人によるセルフライナーノーツ収録/解説:濱口英樹/歌詞付

【配信情報】配信/サブスクリプションも同時発売。

  • 筒美京平 プロフィール

1940年(昭和15年)5月28日生まれ。クラシックのピアニストを目指したが大学卒業後は日本グラモフォン=ポリドール(現ユニバーサル ミュージック)に就職し洋楽部のディレクターとして勤務、青山学院大学時代のモダン・ジャズ・コンボの一年先輩である橋本淳の強い薦めで歌謡曲の作曲をはじめた。
初ヒットは1967年8月1日に発売されたヴィレッジ・シンガーズ「バラ色の雲」(作詞・橋本淳 編曲・森岡賢一郎)。オリコン週間シングルランキングにおける最初のナンバーワン・ヒットは、いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」(1968年12月25日発売)。1969年2月10日付で首位を獲得し、4月7日まで9週連続で首位を独走。時代を代表する大ヒットとなった。以降、TOKIOの「AMBITIOUS JAPAN!」(2003年10月1日発売)まで全39曲のナンバーワン・ヒットを創出した文字通り戦後を代表する歌謡曲の職業作曲家の第一人者である。2020年10月7日逝去。享年80。